バンクーバーの雑貨屋・カフェ4選(ダウンタウン編)
バンクーバーはカナダ3番目の都市ではあるが、日本の大都市と比較するとやはり小さく感じる。
私が思うに、バーや映画、雑貨屋、古着屋さんなどの娯楽や趣味に費やしたいお店の数は、ある程度都市の規模や人口に比例するのかなと感じた。
私は正社員をしているころ山梨県に住んでおり、大阪出身の私は会社関連の人以外ほとんど友達がいなかった。
鬼のように忙しい仕事だったが、休みの日は必然と1人で過ごすことが多く、掃除や洗濯を終わらせたら、食料品を買いに行き、雑貨屋さんやカフェで一息つきながら楽しみ、夜ご飯を作って寝るという生活を繰り返していた。
社会人をしている間に「雑貨やカフェに行くこと」がある程度趣味になりつつあったのである。
そういう私は外国に夢を描いていた。
「外国=なんてオシャレ街」が広がっていると。
外国でのカフェ・雑貨巡りは、日本でのそれよりもはるかにオシャレで楽しいであろうと。
バンクーバーもきっと例に漏れず、日本人が夢見ているような8頭身の美男美女がオシャレ街を徘徊し、流し目でウインクとかするだろうと。
その中で私は、日本になさそうな洋服を手にし、洒落た街角のカフェでカフェラテとクロワッサンを嗜み、センスのいい雑貨店で日常会話を店員と交わす、そんな生活ができるはずだろうと。
そう思っていた。
ところがである。
どうしたバンクーバー。
全然ないじゃないか。
しかもアジア人も多いし、いわゆる「外国感」は思っていたより乏しい。
まぁあまり探索するほどのお金もないのだが、至る所にお店がある日本とは違い、少し探さないと良いお店も見つかりにくいのである。
さて、こんな前置きをしてなんだが、これから何を語るのかというと、
私が通ったカフェや雑貨屋を紹介しようと考えている。
散々けなしておいて酷い話だが、全くないわけではない。
今回は、ダウンタウンを中心に私がよく利用していた場所、面白かった場所、役に立った場所などを中心に掲載する。
バンクーバーには「グランビルアイランド」や「メインストリート」「キツラノ」などカフェや雑貨屋などがある程度まとまっているエリアもあるので、これらについてはまた別の機会に紹介しようと思う。
① DOLLARAMA(ダララマ)
日本でいうダイソーに近い感覚のお店で、文房具から生活用品、スナック、造花まで売っている。
(ちなみにダウンタウンにはダイソーもあるが全然100円均一ではない)
その名の通り全部1ドルかといえば全然そんなことはないが、スーパーやホームセンター等と比べると安いものが多く、学生御用達の雑貨屋さんだ。
DOLLARAMAは、バンクーバーのダウンタウンから郊外まで割と満遍なく店舗があるが、どの店舗もちょっと見つけにくい場所にあったりするのでよく調べて行ってほしい。
ちょこっとスナックを買ったり、バースデーカードを買ったり、ノートを買ったり。
「日々の暮らしを彩る」ところまではしてくれないが、節約が必須な学生には大いに役立ってくれるショップだろう。
写真は役に立たなさそうなモノばかりだが、私を信じてほしい。
② COTTAGE DELI(コテージデリ)
ここは、クラスで一緒だった女の子から教えてもらったカフェで、「ウォーターフロント駅」から歩いて5分ほどの所にある。
彼女から聞いていた話では、にこやかな老人が経営している”純喫茶”のような雰囲気のカフェで、「絶対サンプル品でしょ、それ」という皿ごとラップしているケーキをそのまま提供されたり、コーヒーが出されるまでに30分ほどかかったりと、時間と心に余裕がないと行っては行けない場所だそうだ。
この穏やかな気持ちで挑まなければならないカフェには私と友達のメグと2人で参戦した。
オーダーをする。
私はブラックコーヒーとキャロットケーキを頼んだ。
メグはパンプキンパイと何か普通ではない飲み物を飲んでいた気がする。
さてオーダーのケーキはどのように選んだかというと、もちろんサンプルの”ラップケーキ”である。
「どれも美味しそうで迷いそう〜」というよりは、「どれが食べれそうかな」という感じだが、1番手作り感のある手前のキャロットケーキを選んだ。
私たちは「パノラマビュー」が見える2階に上がり、ドリンクを待っていた。
おそらく10分くらい待っただろうか、意外と早く飲み物が届いた。
なんだ、普通に普通のカフェじゃないか。
私は今のところ普通に楽しんでいる。
さて、オジイたちご自慢の飲み物とケーキをいただく。
飲み物の味はまぁ可もなく不可もなくだったが、ケーキはサンプルみたいな見た目のくせに意外と美味しい。
私たちは、いろいろ話をしながらゆっくりした時間を過ごしていたのだが、ふと1階を見ると1人のオジイが冷蔵庫からキャロットケーキの塊を取り出した。
おそらく私が注文したから「サンプル品」が無くなったので、”新たなサンプル品”を製作するためだろう。
だが、そこで私は見てはいけないものを見た。
キャロットケーキの箱には「KIRKLAND」の文字が書いてある。
そう、この「KIRKLAND(正式にはKIRKLAND Signature)」は「Costco(コストコ)」のプライベートブランドのマークである。
なんと、あの「美味しいキャロットケーキ」は、ただコストコのキャロットケーキをカットして皿に乗せただけだった。
それで一皿3.95ドルも取っているのだから”良い商売”である。
その光景を見るまでは、「にこやかオジイが頑張って作ってんだろな〜」とか想像していたが、この事実を知った今、「せめてカットくらい綺麗にしなさいよ」と不満が募る。
何が嬉しくて、通常の数倍の値段を出して、私でも買えるコストコのケーキを「美味しい」とか言って食べてんだ、と複雑な気持ちになった。
しかし、帰り際に見せてくれたオジイたちの笑顔とこの店の雰囲気、そして「コストコのキャロットケーキが美味しい」ということを知れた事実で私の心は満たされ「まぁいいか」と心が広くなった。
そして、たまに行きたくなるのもまた事実である。
③ Indigo(インディゴ)
Indigoは調べたところカナダ最大の本屋さんらしい。
この書店はバンクーバーの各所に店舗展開しており、どの店舗もかなり大きな印象。
私がこの書店をよく利用していた理由は、本を買うというより友達へのギフトや家の雑貨などを購入するためだ。
私の印象でいうと、「オシャレ版ヴィレッジヴァンガード」みたいな感じ。
もちろん書籍もたくさん在庫しているが、食器や文房具、オシャレ家電やギフト雑貨まで幅広く取り扱っている。
バンクーバーに来て間もない頃、周りの人のいろんな話を聞いて「英語を勉強するのに本を読んだほうがいい」となった。
私は昔からミュージカルの「Wicked(ウィキッド)」が好きで、その書籍の原本が日本で売られていることも知っていた。もちろん英語表記なのだが、日本で見つけたときはおそらくカナダにくる4年ほど前であり、今よりもはるかに”英語嫌い”がひどく、読む気すらなかった。
だがしかし、英語圏であるカナダにきた今、この本を楽しんで読めるのではないかと思い立ち、Indigoで奇跡的に見つけて購入したのである。
さて、本を購入してから約1年が経とうとしている今、残念ながら半ページしか進んでいない。
「本の半分」ではなく「1ページの半分」である。
なぜなら表現が難しすぎて2行進むのに30分ほどかかるから。
「おいおい、それでも頑張って読めないのかい」と自問自答するが、今の私にはまだハードルが高いので、そのうち読むだろう。
きっと。
とにかく、友達にプレゼントで迷った時や、何か求めている本を探すときなど、Indigoは手が届く値段で応えてくれることが多いだろう。
④ Little Sister’s Book & Art Emporium(リトルシスターズ)
ここは、”大人のおもちゃ”のお店である。
店内には未だかつて使用したことのない”器具”や”下着”など大変興味深い商品がずらりと並んでいた。
私は、訳あって友人へのギフトを求めてこのお店にたどり着いたのだが、店内には同性カップルや異性カップルもいて、普通に店員に使用方法やおすすめ品を聞いていた。
実は、度々同じクラスになっていた韓国人の男の子が学校を卒業して国に帰るということなので、男なら”刺激的なもの”を思い出として持って帰ってもらうのもありだろうということでこの店に来たのである。
いろいろと悩んだが、「手動快楽行為樹脂製穴型補助器具(米国製)」及びそれで使用する「潤滑剤」を購入した。
どんなに疲れていても、辛くても、楽しくても、嬉しくても、怒っていても、悲しんでいても、人間は”この行為”を避けては通れない。
彼には母国でバンクーバーの思い出に浸りながら(バンクーバーで女の子とデートをした話は彼から1度も聞いたことがないが)、この器具を使い楽しい時間を過ごしてほしい。
数日後、卒業日に彼に渡した。
さすがに公では見られたくないだろうと、茶色のクラフト紙バックで渡したのだが、袋の中身を覗いた彼は私にハグを求め、「これは最高だよ」などと言っていた。
きっとこのお店を紹介する人はほとんどいないだろうが、まぁせっかく海外に遊びに行ったのなら、こういうお店も楽しんだらいいと思う。
興味があるなら。
さて、以上4件が私がお世話になったダウンタウン中心の雑貨屋さんとカフェだ。
ダウンタウンエリアに行くことがあればぜひ。