そこまで詳しくない銀行口座開設
スタンレーパークでの拷問の後、左足首が痛み仕事にならない。
あっ仕事はしていない、というか何もしていないんだった。
スタンレーパークから帰ってきた後、
足首を冷やすための氷をホストマザーからもらい、うっすいビニール袋に入れてアイシング風にしてみた。
しかしうっすいビニールだと冷たさがダイレクトすぎて冷た痛い。そしてすぐ溶けてきて、うっすいビニール袋であるのでどこかしらから漏れてくるのである。
「お前はアホか、湿布を買えばいい」と思ったであろう、湿布は心なしか高いのである。(私にとっては)
ただ、サロンパスが「SALONPAS」として売っており、Hisamitsu社製のあのサロンパスが大々的に陳列されているとなんだか嬉しかったが、「同郷だから優しくする」ほど私は甘くない。きちんと能力を見極め、適切な値段とクオリティのものを選ぶべきである。そう思い、しばらくブツブツ何か言いながら「SALONPAS」の前で考えていたが値段が高いし、他のものはちゃんと効くのかわからないしそっちも値段高いし・・・あぁ足痛いし・・・
ということでやむなく氷にしたのである。日本から持ってきておいた方がよかった後悔品①、湿布(願わくばサロンパス)ということになった。
さて、今週は何があるかというと、何もない。
ただ、ひたすらに時間を費やすのである。
月曜日、村上は先日の訓練で出発した午前7時よりも大幅に遅い午前11時に家を出て行った。
それを横目に私は部屋にこもる。
日本から持ってきたお茶を啜りながら、ブログを書いたり、文法の参考書を解いたり、仮眠したり、筋トレしたり、仮眠したり、仮眠した。
そして平日のお昼ご飯担当はファーザーだ。
そもそも事前情報では、マザーが専業主婦でファーザーはエンジニアの仕事をしているとなっていた。
だが実際はマザーは出稼ぎに行き、ファーザーは一生家にいる。
私は3食込みの値段で申し込んでおり料理は全て提供されることになっているが、彼らにも役割分担はあるらしく、マザーは朝食と週末に料理を作ってくれ、割とレパートリーはある。が、大体はファーザーが担当で、彼はレパートリーがほとんどない。
さて、ファーザーの昼食をいただくことにしよう。
・・・
これが中国家庭の味というのであればそれは仕方ない。
文句は言えない。
文句は言えないのだ。
だけど1度でいいから言わせてほしい。
ごめんなさい、言います・・・・
まずい。
食べれないわけじゃない。
だが、ほとんど味のないスープに小松菜みたいな草と気持ち程度のひき肉、大量のニンニク、そして太めのスパゲティに大量の唐辛子である。
何味かと言われたら
「お湯味 feat. ニンニク」
これが正しい表現で間違いない。
しかも、「このスープをかけて食べるのがうまいんだよ〜」とか言ってきて、
かけても味しねぇじゃねぇか!とキレそうになった。
これが平日の5日間続き、人生で初めて食べ物で泣き、連日下痢でトイレでも泣いた。(唐辛子苦手なので)
さて、食べ物に苦しんでいる中、私は「銀行口座開設」という大きな仕事をしなければならないのであった。
現地で使える銀行口座及びデポジットカードみたいなものは日本で作ってきていたが(海外送金の役割で)、「郷に入れば郷に従え、カナダに居たらカナダの銀行口座を開け」と先住民族は言っているとのことで、本当かどうか知らないが、銀行口座は間違いなく作った方がいいとのことである。
(数ヶ月の短期留学の人や旅行者は必要ないと思うよ)
※ところで、「郷にいれば郷に従え」の変換で「郷に入れ歯剛に従え」となるのだけれど、「郷(さと)に住んでいる、入れ歯をしている剛(ツヨシ)に従え」みたいなことになって面白かった。
入れ歯剛(いればツヨシ)にはぜひ会いたい。
そこで、私は助っ人を頼んでいたのである。
なんと奇跡的に、同郷の幼馴染がバンクーバーで住んでおり、結婚し子供もいる。
おそらく12年近く会っていないし、せっかく会うし、お土産渡したいし、銀行についてきてほしいということで郊外のショッピングセンターで会う約束を取り付けた。
サロンパスの話では「同郷に甘くするほど優しくない」などとふざけたことを言っていたが、彼女は同郷の私に存分に優しさを発揮してくれた。
私もお土産で小さな優しさを共有する。
彼女は子供も連れてきていて、事前に名前は「コブちゃん」と聞いていたので、名前は「コブちゃん」だと信じ何度と「コブちゃんコブちゃん」と声をかけていたが、
幼馴染「名前、コブじゃないで」
と一蹴された。
以前頭をぶつけて「たんこぶができた」という話を聞いており、その「コブ」を全く自分でも理解できないが名前にしてしまっていたらしい。
素直に申し訳ない。
その後、20分ほどお茶を嗜み、ジモトークに花を咲かせ、我々は近くの銀行へ向かった。
我々が向かったのはTD BANKの支店だ。
なぜこの銀行を選んだかというと、エージェントのおすすめだったから。
ただそれだけである。
さて、カナダの銀行は日本の銀行とは違い、「口座維持費」なるものがある。TD BANKの私のプランの場合、月々$16.95支払わなければならないが、開設から6ヶ月は無料だった。口座に$4000以上残高があればその間はずっと無料だそうだが、カナダでは貧困層の私にとって無謀な金額である。
(色々プランがあるので、必ずしもこの金額及び期間というわけではない)
他社は12ヶ月無料のところもあるそうで、自分に都合の良い銀行を選ぶ必要がある。
また、TD BANKには日本人対応してくれる店舗がある。(主にダウンタウンの中心、Pacific Centreの店舗)
初めて海外で生活する人にとって、銀行口座は確実に内容を理解したい事項の1つだと思うので、日本人に対応してほしい人はTD BANK を覚えておいてほしい。
ところで、私たちが向かったのはダウンタウンから電車で1時間ちょっと離れた支店なので、もちろん日本人スタッフはおらず、現地のペラペライングリッシュと話をしなければならない。
最初窓口にて、「銀行口座を開設したい」という旨に関しては自分で言うことにした、というか幼馴染が「勉強や」と私の背中を押し列に並んだ。
緊張する。
並んでいる間、同じフレーズを何度も頭でイメージし伝えられるように練習する。
10分ほど並び、ついに私の順番が。
・・・
伝わった。なんとか。その後個室に向かい様々な手続きをした。
今回の手続きで確実に必要だったのは、
①パスポート
②ビザ
③現住所がわかる情報
それだけだった。
※④SIN(Social Insurance Number)はワーキングホリデーで働く予定のある人はおそらく必要。私は学生ビザで取得する必要がなかったので提示していない。
※ビザによって異なるので、調べてから行ってほしい。(無責任)
私は、月当たりの上限額が$500の現地クレジットカードも一緒に申し込み(今思うと必要なかったかも・・・)、Checking Account(普通預金)とSaving Account(定期預金みたいな感じ)を開設した。
クレジットカードを作る場合、上限額を設定し、その分の金額をSaving Accountにあらかじめ振り込む必要がある。私の場合は$500だった。
確か、Checking Accountにも数ドルでもいいので入れないといけなかった気がする。
いずれにしても、現金はいくらか持っていた方がいい。
これらの対応は99.5%幼馴染がしてくれ、私は契約書のサインをするだけだった。
さてさて、これであとはカードを待つだけである。
そう思っていた私は愚かだった。
1〜2週間後、自宅にカードが届いた。
クレジットカードを手に取ると、何やらシールが貼られている。
この「アクティベート」という意味がわからず幼馴染に聞いて見たところ、クレジットカードは「アクティベートをしないと使えないんだよ〜」と教えてくれた。
このアクティベートは「本人かどうか確認してから使わせてやるよ」という認証行為で、厄介なことに電話をしなければならない。
私は、床に正座で座り込み、意を決して電話をかけた。
電話の人「Hello!”#$%&’()0=」
私「へっろー・・・」
電話の人「|〜=0)(’&%$#”!」
私「・・・・・あ〜・・・・あっ・・・」
電話の人「’&%$%&’ Japanese?」
私「Yes!!!! Japanese please!!!!!!!」
とかすかに聞こえたJapaneseを頼りにお願いしたら、保留音が鳴り、最終的には通訳の人が介入し助けてくれた。
5分後・・・
通訳の人「あなたのカードのアクティベートは完了したので今から使うことができます。」
私「ありがとうございました、先方にもよろしくお伝えください。」
などとビジネス会話を披露し終了したのである。
翌日、買い物をしてレジにて早速クレジットカードをこれ見よがしに財布から”サッ”と出した。
もうこれで怖いものは何もない。
カード社会のカナダで現金を使い続ける必要もない。
欲しいものは全てこのカードで手に入れられるのだ。
お金で買えない価値はあるが今は買えるものが欲しい!!
買えるものはMaster Cardで買いたいところだが生憎これはVisa Cardなどということはどうでもいい。
えええええええいいいいいいいいやあああああぁ!!・・・
レジの機械「ブーブー」
私「?」
レジの機械「ブーブー」
何度やってもうまくいかず、結局現金で払った。
せっかくいろんな思いをしてこのカードを作ったのに・・・・
そこで、TD BANKの日本人お姉さんに会いにダウンタウンにある店舗へ向かった。
しばらくして出てきたお姉さんは、カナダでめちゃ寒いのに明らかにロサンゼルス感のある、ココナッツお姉だった。
ココナッツ「もしかしたらSaving Accountのクレジット用のお金をChecking Accountに移動させたりしました?」
私「あぁそういえば間違えて移動させた気がします・・・」
ココナッツ「あらそうでしたか・・・それが原因でカード会社が不審に思って使用停止されてるみたいです・・・なので、クレジットカードのSaving Accountとは別のSaving Account作ってそちらを定期預金として使ってもらえたら。クレジット用のアカウントも銀行口座を閉じる時にお金返金されますから。」
と神対応だった。
結果として、私はもう1度電話で「アクティベート」することになったが、その後無事に使えるようになった。
銀行口座は1度経験をすれば難しいものではないはずだが、初心者にとってはやはりハードルが高い。
手続きが不安なのであればTD BANKおすすめである。
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