バンクーバーの雑貨屋・カフェ4選(メインストリート編)
メインストリートは、ダウンタウンから電車で数駅離れた場所で、南北に走るストリートである。
ダウンタウンには百貨店やセレクトショップもたくさんあるが、ハイブランドが多かったり、観光客向けのお土産がたくさんだったりで、古着や雑貨屋さんなどはあまりなく、個人的には感度が低めだった。
(感度は元々高くないけど)
私もせっかくカナダに来たのだから、カナダでしか買えないものや、カナダっぽいお店を物色し、感度の高いカナダディアンに近づきたい。
(感度高くないけど)
食べ物もカナダ産のものを食べているし、整髪料だってカナダで売っているものを使っている。
水ももちろんカナダの水を飲んでいるし、カナディアンバンドを気に入って聴いている。
あとはカナダ製の洋服を買い、カナダの香水などを嗜めば、これ以上ないカナディアンになるはずなのである。
カナディアンの定義は、カナダ生まれカナダ育ちであれば、どのようなバックグラウンドを持っていようともカナディアンになるのであろうが、私はどう足掻こうにも日本人である。だがしかし、カナダに包まれてもっとカナダを感じたい。
と、そこまでは思っていない。
でも、カナダで買ったものは単純に欲しい。
さて、いろいろ調べたり友達から聞いた話だと、メインストリートに行けば、古着や雑貨、オシャカフェがそれなりに揃っていると聞いた。
一度訪れてみると、規模は大きくないが、古着屋さんや、本屋さん、レコードショップからカフェ・レストランまでさまざまなお店が約3キロほどにわたって連なっている。
その中で私が個人的に気に入ったお店たちを紹介したいと思う。
① Front & Company
古着と雑貨が混在しているこのショップは、ネットで調べた中で勧めている人を多数見かけたため、興味本位で行ったらやはり良かった。
外観はすっきりと洗練されている印象。

レディース向けの古着や小物しか置いていないかと思いきや、きちんとメンズ用も多数揃えており、見応え十分。
メインのお店は大きく、レディース・メンズの古着やアクセサリー、靴、キャンドルや置物など様々。
ところが実はメイン入り口の並びにもう一つ入り口があり、そちらは文房具や、おもしろ雑貨などもう少しニッチな需要のためのブースである。
ちなみに私はこのブースに4回ほど訪れたが、そのいずれも同じ店員さんが「君の靴いいね」と褒めてくれた。
私が言いたいのは、
・4回も言うなら、さすがに僕のこと覚えてくれ
・私も私でその靴ばっかり履かんと他のも履け
・逆に靴以外褒めるところ無いのかい
・というかもう靴褒めるのが習慣化してない?
・他の人にも「その靴いいねぇ」って言うてるんだろどうせ
などといろいろあるが、日本のお土産にちょっと変なものを買っていきたい人や、可愛い小物や古着を見つけたい人、「靴を褒めてもらうのがフェチなんです」という人などにオススメの店である。

https://www.instagram.com/frontandcompany/
② Eugene Choo

ここは、古着とセレクトショップが一緒になったお店で、個人的にはバンクーバーで1番好きなお店だ。
セレクト品は、「Minimum」や「Universal Works」など日本でなかなか買えないブランドがほとんどで、どれもめちゃくちゃに私の好みにハマっていた。

私は私が着たいものを着るので(まぁみんなそうなんだが)、センスは問わないで欲しいが、ここで買ったトレーナーと帽子は今でもかなり気に入って使用している。
ここは、バンクーバー生活が残りわずかという時に見つけたお店で、実は1度しか行くことができなかった。
ここを訪れた時、私はまだ自分自身へのカナダ土産を買っていないことに気づき、あのシマシマ帽子とふんわりトレーナーを自分へのお土産として買うかどうか迷った。
一緒に遊んでいた現地で知り合ったお兄さんにも、「買っちゃいなよ、もう簡単に来れないよ?」と囁かれ、、、
しかし、簡単には決心できなかった。
なぜならば、高い。
学生ビザで働けない私にとって、ここでの買い物はかなり勇気のいる金額を払うことになるからだ。
あの帽子とトレーナーで$290、その時のレートでおおよそ¥29,000である。
あぁ〜
どうしよう〜
あぁ〜
と、らちがあかないのでひとまずお茶をしに外に出かけ、
買う必要があるかどうか考えて・・・
40分後、迷いなく店に戻り、気がついたらそれらを購入していた。
ほぼ反射的である。
勢いは大事だ。
しない後悔よりしてから後悔の方が潔い。
お金は大事だが、洋服も大事だ。
洋服を着ないことには外に出れない。
服を着なければ公然猥褻じゃないか。
服は着るためにある。
着るためには買うしか無いのである。
などと、そこまで真剣に考えてはいなかったが、カナダにいる間で最大の買い物であった。
買ったあとは、単純にものすごい幸福感が私を支配して、気持ち悪い笑みを抑えることができないまま残りの時間を過ごしたのである。
③ Continental Coffee

ここは、メグともう1人のクラスメイトと行ったことがあるが、いわゆる名物のケーキや飲み物があるわけではない。
だが、なんとなく落ち着くし、店員もさっぱりした対応だが優しさが伝わる感じ。
調べてみると、6世代にわたって家族経営してるのだとかなんだとか。
コーヒーは焙煎もしていて、こだわりはかなりありそうだが、それを全面に出していない感じもまた好感度が高い。


せっかく前から予定を決めて3人でメインストリートへ向かったこの日、酷い雨に見舞われた。
ショッピングの「シ」の字も全く出ない、「外を歩く?頭おかしいんじゃないの」というくらいの天候だったが、私たちはこのカフェで休息できたので、それだけで救われた。
地元の人たちも多く、観光客を目当てに開いているカフェ感は微塵もない。
メインストリートに行った際は、ぜひこちらのカフェで休息を。
雨の有無は関係なく。
https://www.continentalcoffee.ca/
④ Helen’s Grill

学校生活もそろそろ終わりが近づいてきたころ、学校で同じクラスだった日本人と一緒に行った場所である。
大学を休学して語学留学に来ていた彼は、ちょっと抜けた感じの憎めないキャラが確立され、話も面白く、クラスでも人気者だった。
なのになぜか、「クラスの隅でもがいている30過ぎの私」とこのメインストリートを2人で散策することになったのである。
そしてしばらくメインストリートを歩きこのお店の前を撮り過ぎようとした時、彼がふと立ち止まったのである。
「俺こういうローカルの洒落ていない感じ、昔からある感じが好きなんだよね」と話す彼は、
いつもの雰囲気とは違い、何も面白くなかった。(ひどい)

店内に入ると、「アメリカンダイナー」の雰囲気漂うレトロな雰囲気で、フレンドリーだがやる気のないおっさん2人が働いていた。
「そちらがそうなら」と私たちもフレンドリーな笑顔で着席し、注文までに10分ほど時間をかけるという「注文する気のなさ」で応戦したのである。

さて、すっかり面白くなくなった彼は、サンドイッチかハンバーガーか何かを頼み、私はアップルパイを頼んだ。

彼の頼んだものも私のアップルパイもコーヒーも全て想定内の味だったが、こういう雰囲気のお店は想定内の味を提供するのが私の想定である。それがいいのだ。

ところで面白くない大学生の彼は、食事をしながらこんな話をしていた。
「本当は僕あんな性格じゃないんだよね。休学してきているのもあるし、英語上達のためにクラスで友達作るために演じているっていうか・・・本当はあんまり喋らないの。」
だろうね。
まぁ無理する必要はないと思うが、積極的に取り組もうとする姿勢は私も見習うべきである。英語に臆することなく、話すことに挑み続けるのは英語習学者としては永遠の課題であるだろう。
その他、彼は「レコード集めが大好きで、昔の曲や古いものに興味がある」と語っており、その後のクラスでの発表会で「松田聖子」のプレゼンをしていた。人として「特徴がある」ということは素敵なことなんだなと話しながら感じたのである。
そうしていると、やる気のないおっさんのうちの1人が話しかけてきた。
おっさん「どこから来たんだい、君たち」
私たち「日本です」
おっさん「昔旅行で⚪︎⚪︎⚪︎や✖︎✖︎✖︎に行ったことがあるぞ俺は、ワハワハ」
私たち「おおそうなんですか、オホオホ」
おっさん「そういえば知ってるか、このお店はハリウッド映画の撮影でついこの間使われたんだぜ、俺も写ってるぜ、ワハワハ」
私たち「おおそうなんですか、オホオホ」
と、特に身にはならない話を楽しそうに教えてくれた。
やる気はないが、「店の雰囲気、想定内の味、優しい」と総合的にまた行きたいお店であった。
※ちなみに私は「背伸びしていない、面白くない彼」の方が魅力的だと思っているよ。
以上が私の個人的おすすめスポット(メインストリート編)であった。
バンクーバーに訪れた際はぜひこのストリートを練り歩いて欲しい。